ＪＳ－３／スターリン３

独ソ開戦後、その頑強な攻防力を以ってドイツ軍を驚かせた「ＫＶ」重戦車系列の後継である「ＪＳ」（ヨセフ・スターリン）重戦車系列の最終型として「ＪＳ１」、「ＪＳ２」の実戦投入結果を採り入れ、大幅に改良されて作られたのが本車である。１２２ｍｍという大口径砲を搭載し、曲面や傾斜をふんだんに採り入れ、理想的な防弾形態（＝避弾径始）を持ち、それでも最大２００ｍｍもの重装甲を持つ砲塔、そして４６ｔの重戦車としてはかなり高出力の水冷ディーゼルエンジンを積み、車体前面に避弾性に優れた独特な多面構造を持つ車体などは、本車の攻防力を世界最強と言わしめるに十分なものであったし、おそらくはドイツの「ティーゲル２」をも上回ったことであろう。ところがこのように強力な攻防力にもかかわらず、重量はドイツの「パンテル」なみで非常に軽く、このおかげで機動性も重戦車としては優れている。以上のようによくバランスの取れた性能から、携行弾数の少なさ、居住性の悪さなどの欠点も指摘されるが、とにかく第２次大戦中最優秀の重戦車と言って間違いない。生産は１９４５年初頭からと言われており、２次戦における実戦参加はないとされ、ベルリンの戦勝パレードで初めてその存在が知られた。この時、世界各国の戦車関係者たちはそのすばらしい形態に驚き、以後の重戦車はこの「ＪＳ３」を凌駕し得ることを第一目標に開発されるようになったという。これほど多くの影響を後に与えた戦車は「Ｔ３４」と共に他にはないであろう。

要目
製造年	1945
重量	45.8t
全長	6.67m
全幅	3.20m
全高	2.44m
乗員数	4
最大出力	600HP
最大速度	42km/h
行動距離	190km
主砲	122mm 43口径
機関銃	12.7mm×1 7.62mm×1